不動産売買のサポートコラム
売却先が決まった後の具体的な流れを知りたい
一戸建てとマンションはどちらの方が資産価値は下がりづらい?
中古不動産の減価償却方法がよく分からない
そんなお悩みを解決するために、当ページでは最低限おさえておきたい不動産売買のノウハウをはじめ、実際の売買ではどんな手続が必要になるのか、将来の資産価値はどのように見通すべきなのか等についてご紹介してまいります。
「不動産売却で高く売るためにできること」「中長期的な資産戦略な不動産購入」についても触れておりますので、是非ご参考ください。
不動産売却のノウハウ
不動産を売却するまでの流れ
不動産査定が終わりますと、次はいよいよ不動産の売却へと移ります。
不動産の売却など一生にそう何度もあるものではありませんので、大まかな流れについては予め確認しておくようにしてください。
取引の流れは「直接買取」「仲介による売買」によっても若干異なりますが、買主が変わるだけですので(不動産会社か第三者か)、まずは全体的な流れを把握することからはじめてみると良いでしょう。
信頼できる業者を選ぶことが大前提
売買が不慣れで取引がスムーズに進まない・査定額が相場より低いなどの恐れもありますので、必ず不動産売買が得意な不動産会社を選ぶようにしてください。
売りたいという意思が固まった場合、直接買取であれば「売買契約(不動産会社が買主)」、仲介であれば「媒介契約」を締結することになります。
直接買取であればこの時点でほぼ取引は完了ですが、仲介の場合は査定額又は自身が設定した金額にて買主を待つという流れです。
価格がミスマッチだと長く売れ残ってしまうことになりますので、価格の設定・改定は仲介する不動産会社とよく話し合う必要があうようにしてください。
買い手からの申込み
一般的には
-
購入の申し込み
-
売買契約の締結
-
決済
という流れを執り、売買契約時に手付金を受領します。
トラブルを防ぐためにも売買契約までに「瑕疵(欠陥)が無いかの確認」「設備の点検」等を済ませておき、正確に買主に伝えておくようにしてください。
なお、一般的にはローンの審査は売買契約後に進められ、仮に審査に落ちてしまった場合は無条件解除となる条項が附されています。
そのため「ローンに通るかどうか」という点も見極めねばなりません。
ローンがある場合は事前に連絡
不動産売買では、ローンは全て完済した状態で引渡すのが一般的です。
そのため、不動産をローンで購入した場合や相続や贈与でローン付きの物件を取得した場合、売却前に債権者(銀行又はローン業者)とすり合わせておく必要があります。
所有権移転をしても抵当権者(銀行やローン業者)には通知がなされないのですが、勝手に売却を進めてしまうと抵当権が実行される恐れ(物件が競売に出されてしまう)がありますので、必ず実施するようにしてください。
なお、引渡し日(決済日)は
-
買主から売主に対して
売買代金の支払い -
売主が債権者に
対して弁済 -
債権者から抵当権
解除書類の引渡し
という流れになります。
売買代金を充ててもなお残債が残る場合は、別途ローンを組む・現金で補填する等の措置が必要になりますので、事前にしっかりとすり合わせるようにしましょう。
決済・引渡しで完了
売買契約及び銀行とのすり合わせ(ローンが残っている場合)が完了しますと、いよいよ不動産の引渡しです。
不動産は現状渡しが原則であり、引渡しにあたって特段の修繕やクリーニングは不要ですが、気持ちよく取引するためにも最低限の掃除はしておきましょう。
引渡し日当日は、不動産会社又は金融機関にて売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士等が一堂に会し、書類の押印や決済手続きを実施します。
ローンの場合は銀行から決済の連絡がありますので、買主から売主へは代金支払い・売主から買主へは鍵を渡して引渡し手続きは完了です。
その後、司法書士によって登記手続(旧所有者の抵当権抹消登記・所有権移転登記・新所有者に対する抵当権設定登記など)が行われますが、売主が何かしらのアクションを起こす必要はありません。
基本的には全て不動産会社が段取りしてくれるのでご安心ください。
必要書類やスケジュールのアナウンスは見逃さないようにしっかりとチェックしましょう。
共有名義の場合は共有者の押印や法定書類(印鑑証明書や住民票の写しなど)が必要になる可能性がありますので事前に確認しておくとスムーズです。
古い家屋を早く・高く売るには
古ければ古いほど、家屋の価値は下がっていってしまいます。
特に「人が住んでいないと家はダメになる」という言葉の通り、空き家が長く続いていると設備や内装はどんどん劣化してしまうのです。
そのため家屋はなるべく早く売るのが鉄則と言えますが、焦って売ると安値で買いたたかれてしまう可能性も否定できません。
まずは何故古い家屋の価値が低くなってしまうのかについて確認してまいりましょう。
Point 1 維持費や修繕費が必要
古い建物の場合、あちこち修繕が必要となってしまったり、維持管理に多くの費用を要してしまったりと、何かとコストが掛かってしまいます。
「築浅物件に比べて数百万円安かったが、それ以上の修繕費が必要となった」というケースも多いため、築深物件は敬遠されやすいと言えるのです。
ただし、これはあくまでも「説明不足」「認識のミスマッチ」に他ならず、現時点で不具合が出ている箇所・不具合が今度出る可能性がある箇所を予め伝えておけば、買主側はある程度の予測を立てることができます。(もし修繕を要する可能性があるなら、当該費用の半分程度値下げをするというのも一つの手です。)
不動産を売るには、買主の不安をできる限り減らすと同時に、この人からなら買っても大丈夫だろうという「信頼」を勝ち取ることが重要なのです。
Point 2 古い物件は売主側にもリスク
古い家屋を売る際に特に気を付けたいのが「売主の瑕疵担保責任」です。
家は、引渡し後しばらくしてから瑕疵が判明するケースが多く(見えない場所で劣化が進行している)、不動産売買では購入後1年以内に判明した瑕疵については売主側が責任を負うのが一般的であるためです。
特に、お風呂・キッチン・トイレの水回りは後から水漏れ・カビ等が後から判明することが多く、床下の劣化も同様です。(シロアリ被害や配管設備不良など)
はじめからリフォーム前提で購入する場合はこれらのリスクを回避できる可能性がありますので、購入後の動きについては確認しておいても損はありません。
また、瑕疵担保責任をカバーするための保険もありますので、これらのサービスを利用するというのも一つの手です。
Point 3 リフォームしてから売るという手も
あまりにも劣化が激しい場合は「リフォームをしてから売る」という手もあります。
詳しくは後述しますが、リフォーム住宅は「キレイ」「初期費用や維持費が抑えられる」という点から人気が高く、査定価格にも良い影響を与えます。
ただし、一戸建てとマンションではリフォームに要する費用が異なる点に注意が必要です。
マンションは鉄筋又は鉄骨構造が一般的であり、室内を綺麗にリフォームするだけで買い手に好印象を与えられるため、低コストにて実施することができます。
一方で、一戸建ての場合は内装だけではなく、外観・設備などを含んだ大規模な修繕が必要になる可能性があり、基礎そのものが傷んでいる場合はそもそも建て替えが必要です。
十分にコストをかけたとしても、それに見合うだけのリターンが得られない恐れがありますのでご注意ください。
Point 4 設備が整っている物件は好評価
当然ですが、住宅の設備が高性能であればあるほど評価は高くなります。
そのため、将来的に手放す予定なのであれば、設備交換・メンテナンスは小まめに実施し、できるだけ高性能かつトレンドにマッチするものを取り付けるようにしましょう。
ユニットバスやシステムキッチン、節水型トイレ、テレビドアホン、LED証明、スマートキーなどは現在大変人気の高い設備です。
また、最近では太陽光発電システムやオール電化設備なども人気が高く、同設備付きの物件は評価が高くなる傾向にあります。
築年数が多い一戸建ては査定が低くなる傾向にありますが、それを上回る魅力的な設備があれば買い手が見つかりやすいです。
また、内見の際は事前にしっかりと掃除や整理整頓をし、気持ちよく見学してもらえるよう努めましょう。
まずは信頼を勝ち取ることこそが、家を高く売るための第一歩です。
リフォームの活用と流れについて
前述した通り、一般的に不動産は築年数が古ければ古いほど査定額が下がります。
購入者側としては限られた予算でできるだけ長く・気持ちよく住める家を探す訳ですから、古くて補修が必要な物件は敬遠されてしまうのは当然でしょう。
特にトイレやバスルームなどの水回りは劣化が表に現れやすく、古い物件にありがちな黄ばんだ便器や水垢のついた浴槽などは大きなマイナスとなります。
家は第一印象が非常に重要であり、築年数は古くても見栄えのよいリノベーションを施せば、査定額も高くなる上に新たなオーナーも見つかりやすくなるのは間違いありません。
さらに、例えばリフォームをせずに1200万円で売るよりも、リフォームに250万円かけても1500万円で売れれば実質お得となります。
しかしながら、特にクロスやフローリング、設備等については好みが分かれますので、リフォームには「センス」も大変重要です。
不動産会社とよく相談した上で実施することをおすすめいたします。
リフォーム時の流れや料金目安
まず、リフォームを実施するかどうかは不動産会社と事前によく相談する必要があります。
買い手が付きやすい物件であれば、買主側の方でリフォームを実施して貰った方がお互いに都合が良い可能性もありますし、不動産会社側で安くリフォームをしてくれる可能性もあるためです。(場合によってはリフォーム費用も住宅ローンに組み入れることができます。)
なお、リフォーム実施時に瑕疵が判明する場合があります(たとえば外壁を張り替えようとしたらボード内にカビが広がっていた・キッチンを交換しようとしたら水漏れで床が腐っていた等)ので、売主側でリフォームを実施した方が後のリスクヘッジに繋がります。
リフォームをする・しないに拘わらず、設備点検は必ず実施するようにし、補修が必要であれば事前に行うようにしてください。
また、工事内容や㎡数によっても異なりますが、一般的なファミリータイプ家屋のリフォーム費用相場は以下の通りです。
外壁・屋根塗装(シリコン塗料) | 100~150万円 |
---|---|
ユニットバス交換一式 | 60~100万円 |
システムキッチン交換一式 | 80~100万円 |
節水型トイレ交換、壁紙・床交換一式 | 15~25万円 |
洗面台交換 | 20~30万円 |
壁紙張替費用 | 1㎡あたり6~8千円 |
上記は低価格を売りにした新築分譲住宅で採用されるエントリーグレードの相場です。
設備や施工内容によって金額は大きく変わりますので、リフォームの要否も含め、不動産会社としっかりとご相談した上で実施しましょう。
リフォームは
- 不動産会社とのすり合わせ
- 設備点検(リフォーム要否の判断)
- 工事代金の見積り
- リフォーム工事実施
の流れで進みます。
不動産会社の中にはグループ内でリフォーム会社を運営しているケースもあり、通常よりも安く実施できる可能性があります。
リフォームをすでにお考えであれば、リフォームに強い不動産会社を選ぶというのも一つの手です。
中古不動産の減価償却とは
減価償却とは税法上の概念で、購入した設備や車両等の費用を一括で計上するのではなく、5年乃至は10年といったように少しずつ経費化することをいいます。
なぜ一括で計上できないのかというと、例えばある年に大きな利益を上げた場合、高額な設備を購入するなどで利益を減らす又は無くしてしまえば、法人税の支払いを簡単に回避できてしまうためです。
なお、減価償却資産の耐用年数は省令によって予め定められており、申告者側が期間を決めて計上することはできません。
国税庁「主な原価償却資産の耐用年数表」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
そのため、減価償却は「事業用や投資用として使用又は購入した不動産の売却」で重要となり、居住用物件を売却する際は気にする必要はありません。
ただし、耐用年数を知っておけば、各設備がどの程度使用できるのか・交換時期の目安等を把握することが可能です。
以下の数字については最低限知っておいても損はないでしょう。
建物の構造 | 用途 | 耐用年数 |
---|---|---|
建物の構造 | 事業所用 | 24年 |
店舗や居住用 | 22年 | |
鉄骨・鉄筋造 | 事業所用 | 50年 |
居住用 | 47年 | |
レンガ・石・ブロック造 | 事業所用 | 41年 |
店舗や居住用 | 38年 |
住居と査定基準は大きく異なる
減価償却の計算方法には定額法などの特別な計算法があり、不動産の購入代金に定められた耐用年数に応じた償却率を掛け合わせることで算出できます。
中古物件の場合は、購入したときにすでに新築時から耐用年数が経過している可能性がありますが、法定耐用年数に20%をかけることで新たに償却期間が生じます。
償却状況次第では手放す時期を早める若しくは伸ばす等の措置を執った方が良い可能性がありますので、売却のタイミングは不動産会社や税理士とよく相談した上で決めましょう。
居住用物件の売却ではさほど重要ではありませんが、言葉の意味や用途については知っておいても損はありません。
事業用物件を売却する際は必ずおさえておきましょう。
不動産購入のノウハウ
不動産購入の流れ
中古不動産を購入する場合は、新築注文住宅などとは異なり、物件の状態をしっかりと閲覧・比較した上で検討することが可能です。
物件の見学は誰でも簡単にできますので、まずは必ず住宅の状態を直にチェックするようにしてください。
人気物件はすぐに買い手がついてしまいますので、気に入った物件があればできる限り早く申し込むようにしましょう。
住宅ローンは事前に準備
居住用物件の場合は、申込み前に住宅ローンの仮審査を受けておくとスムーズです。
仮審査は物件概要や年収(過去2~3年分)を銀行に提供すれば簡単に受けることができますので、目ぼしい住宅ローンにいくつか申し込んでおくと良いでしょう。(住宅ローンの仮審査は信用情報に記載されませんので、何社申し込んでも問題ありません)
住宅ローンが決まっていない段階でも売買契約を結ぶことは可能ですが、仮審査が通っていれば買い手が複数いた場合に優位に立てる可能性があります。
また、当然ですができるだけ良い条件で借り入れた方が支払い金額を少なく抑えることができますので、時間がある限り申し込んでおくと良いでしょう。
売買契約と手付金交付
無事申し込みが完了すると、次は売買契約へと進みます。
不動産の売買契約では手付金として物件価格の5~10%を先払いするのが慣例であり、この分の金銭は前もって用意しておく必要があります。
また、貼付する印紙は買主・売主双方が半分ずつ負担しますので、こちらの分も現金も予め確保しておきましょう。(金額は不動産会社よりアナウンスがありますが、1万円又は2万円がほとんどです)
手付金は、予定通り売買契約が成立した場合は不動産価格から差し引かれ、万が一契約を解除する場合は手付金を放棄(買主都合は支払った金額を放棄、売主都合は受け取った金額を倍返し)する形が一般的です。
なお、仮に住宅ローンの本審査に落ちてしまった場合は白紙解除(全て白紙に戻すことをいい、手付金も返還される解除)となるのがほとんどですが、契約前に念のため確認しておくことをお勧めいたします。
司法書士との打ち合わせ
売主と買主で大きく異なる点は、所有権移転登記の有無です。
所有権登記は新所有者(買主)が行う手続きですので、書類への記名・押印、必要書類の準備、登記費用(司法書士への報酬や登録免許税)の支払いについては事前に済ませておかねばなりません。
また、ローンで不動産を購入する場合は抵当権設定登記をするのが一般的であり、銀行側から司法書士を指定される場合もあります。
所有権移転登記と抵当権設定登記を別々の司法書士が行っても特に問題ありませんが、打ち合わせを二回しなければならない点に注意しましょう。
ここまで完了すれば、あとは決済日(不動産の引渡し)を待つのみとなります。
(※こちらは不動産売却でもご説明した通りですので割愛します。)
買主の場合、売主とは異なり「ローンの申込み」「所有権移転登記の手続」が必要となりますのでご注意ください。
また、リフォームやクリーニングを実施する場合は引渡し直後からスタートできるよう予め段取りしておきましょう。
中古マンションのメリットとデメリット
中古マンションは新築より安く買える上に好立地であることが多く、タイミングがよければ優良物件に出会うことも可能です。
次項では「中古マンションのメリットとデメリット」にフォーカスを当て、解説してまいります。
中古マンションのメリット
冒頭でもお伝えした通り、第一に「安く取得できる」というメリットがあります。
さらに、住宅ローン控除が適用できる物件であれば税金面でも優遇を受けられる(最大13年)ため、同じ予算でより広く・好立地な物件を狙うことが可能です。
また、国土交通省より発表された「不動産価格指数」によると都心部(東京・神奈川・千葉・埼玉)のマンションの平均取得価格は年々高くなっています。
一時は「中古マンションは売れない」とさえ言われておりましたが、人気エリアであれば今後も価格上昇を見込むこともできるのです。
10年前に購入したマンションが同額で売れたというケースも珍しくありませんので、現在マンションは非常に人気の高い物件と言えます。
したがって、手放す際もリセールが高く・買い手が見つかりやすいというメリットがあります。
中古マンションのデメリット
中古マンションのデメリットとして
- 建物の劣化がある
- 住宅ローン控除が受けられない可能性がある
- 修繕積立金が新築に比べて高い
などが挙げられます。
築10年程度であればさほど心配する必要はありませんが、小さい子供がいる家庭だった・前持主が雑に扱っていた等の場合、想像以上に劣化が進んでいる恐れもあります。
また、2022年現在の税法ですと、住宅ローン控除を受けるには「耐火建造物は25年以内の築年数であること」という要件をクリアせねばなりませんので、同制度を最大限に活用するのであれば予め築年数もチェックする必要があるでしょう。
さらに、修繕積立金は築年数を経る毎に上がっていくのが一般的ですので、新築に比べて毎月のランニングコストが上がってしまう可能性もあります。
上記の通り、中古マンションにはそれぞれメリットとデメリットもあります。
新築の方が良いのか、それとも一戸建ての方が良いのか…どちらがマッチしているのかをしっかりと検討した上で選択するようにしてください。
中古一戸建てを購入する際の注意点
一戸建ては、子供のいる家族やとにかく安く済ませたい方には、とてもおすすめできる物件ですが、税制面でのデメリットも多くなっています。
そのため、希望予算額やイメージ、購入後のトラブルに備えるなど、しっかりと計画を立ててから購入に踏み切りましょう。
とにかく安く手に入る
一戸建てはマンション以上に中古の値下がりが大きく、新築時の半額以下で購入できるケースも珍しくありません。
間取りも同価格のマンションに比べて多く、上下に他人が住んでいないためある程度ドタバタしてもOKということで、家族が多い世帯に特に選ばれています。
また、マンションは共同住宅のため利用のルールが細かく定められております(マンション規約など)が、このようなルールが無いという点も一戸建てのメリットです。
例えば、マンションによっては「生き物を飼うことができない」「犬は小型犬のみOK」などのルールが設けられておりますが、戸建てであればこのような制限はありません。
さらに、家が建つのを待つ必要が無いため、すぐに入居可能という点も中古一戸建てのメリットと言えるでしょう。
劣化が激しい
一戸建てのデメリットは、前オーナーの使用状況に大きく左右される点です。
大切に使っていた家屋であれば痛みは少ないですが、子供やペットが多く、管理や手入れが行き届いていなかった場合は劣化が進んでいる可能性があります。
また、見えない場所に傷がついている・劣化が進行している恐れもあり、中古マンションに比べるとリスクが高いと言えるでしょう。
さらに新築(完成から3年以内)だと固定資産税及び登録免許税が半額になりますが、中古物件の場合は当該税制優遇措置も受けることができません。
なお、一戸建ては木造がほとんどですので、耐用年数もマンションに比べて短いです。
資産価値の高い不動産を買うには
リセールバリューが高いという点も持ち家の魅力一つです。
「一生住み続けるつもり」で購入したとしても、人生は何があるか分かりません。
購入価格以上で売れることも珍しくありませんし、インフレーションへの対策ともなりますので、10年後・20年後の売却も視野に入れた上で購入する物件を決めましょう。
資産価値が落ちない物件としては「立地」「駅チカ物件」「高層階」などが代表的です。
東京であれば新宿区や港区、渋谷区、世田谷区などはステータス重視で物件を選びたい方からの一定の需要があり、価値が落ちづらいと言えます。
また、駅チカ物件は利便性が高く、地価そのものの上昇も見込めますので、どのエリアであっても高値での売却が狙えます。(急行列車や快速列車が停車するターミナル駅であればさらに良いです。)
さらに、タワーマンションであれば階層に比例して人気も高くなるため、価値の下落はより少なくなります。
このように、資産が落ちにくい物件の要素は構造や設計、間取りというよりは、住環境や立地に左右されるところがほとんどです。
資産価値だけで見れば、郊外の新築物件よりも人気エリアの中古マンションを購入した方が下落幅は低いというケースも多く見られます。
戸建てとマンションの比較
資産価値の観点では戸建てとマンションどちらの方が良いのでしょうか。
まず、マンションタイプは鉄筋コンクリート(RC工法)で造られていることが多く、建物自体の耐用年数が長い・耐久力が高いといった特長があります。
また、マンションでは入居住人たちで将来的な修繕費を負担しあっているため、建物を長期的かつ綺麗な状態を保つことが可能です。
したがって、木造の一戸建て住宅に比べて資産価値が落ちづらいと言えるでしょう。
一方で、一戸建て住宅にはマンションとは異なり「土地」が付いていることがあります。
たとえ建物が劣化しても、土地があれば立て直す・他の用途で利用する・売却する等の選択肢が生まれますので、一概にマンションが良いとは言い切れません。
立地条件や周辺環境次第ではマンションよりも資産価値が高い可能性は十分にあります。
しかしながら「中古マンションのメリットとデメリット」でもご紹介した通り、戸建ての平均価格は大きく上がっていないのに対し、マンションの価格は右肩上がりに上昇を続けています。
現在の状況を鑑みると、都内近郊であればマンションの方が資産価値は下がらない可能性が高いと考えます。
マンションタイプには構造体として頑丈かつ立地や駅に近いなどのメリットがあります。
ただし、一戸建てには土地の不動産価値が不動というメリットがあり、状況やエリア、権利状況(所有権なのか賃借権なのか等)を総合的に見て判断する必要があるでしょう。
価値が下がりづらい土地の特徴
不動産全体に共通して言えることですが、交通の利便性の高さ・子育てしやすい環境・治安が良いなどの条件が整っているエリアは資産価値が下がりづらいです。
価格重視で郊外の分譲マンションを購入するという手もありますが、新築時は資産価値が高くても築年数が経てば経つほど資産価値は落ちてしまいます。
駅へのアクセスが良く、その駅もターミナル駅でありJRや私鉄が複数行き交うような場所であれば、通勤や通学、ショッピングやレジャーなどに出かけるのにとても便利です。
利便性を重視した方がQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は上がるとのデータもあり、利用のしやすさはやはり重要な指標と言えます。
なお、不動産に限らず、車や時計、ブランド品などは価格が高いものほどプレミア化しやすく、後々さらに価格が上がる傾向にあります。
一般論として、多少無理をしてでも利便性の高いエリアの土地の方が資産価値の下落を抑えられる可能性が高いと言えるでしょう。
周辺環境の重要性
さらに、不動産価格は「周辺環境」によっても大きく変動します。
- 窓の開口部が大きく変更されている
- 2階プラスロフトのはずが、ほぼ3階建てになっている
- 一階も居室のはずが駐車場になっている
など、住んでみてから不満が募るケースは決して少なくありません。
駅やスーパー・薬局までの距離、お子様がいるご家庭の場合は学校の場所、騒音になりそうなものがないかなど、引っ越してから悩まないためにもしっかりと下調べをする必要があります。
また、不動産を購入する方の多くは「減点方式」で購入するかどうかを決めるケースが多いため、これらのマイナスポイントは売る側にとっては大きな痛手です。
ご自身が快適に暮らすためにも、リセールバリューを考える上でも、周辺環境はしっかりとチェックしておくことを強くお勧めいたします。
このように様々な要因に基づき資産価値は変動します。
当然、不動産会社の営業スタッフは自社の物件を売りたいので良いことばかりを述べます。
ご自身でもしっかりと下調べし、本当に価値のある物件なのか、住んでみてから後悔しないかを検討するようにしてください。